職を選ぶことは、自分の人生設計でもっっとも大切なことの一つです。
できることなら、過重なエネルギーを使わない、ストレスを感じない、豊かな生活が送れるという基本的な条件に、さらに、人々に感謝されるなど、自分で誇れるような中身があって、さらに、自分に合っていて、やり甲斐を感じる仕事をしたいですね。
初めて就職をしようとする方は、まず、自分の適職ってどうやって選べばいいか悩みますよね。また、転職される方は、いま努めている会社の仕事を捨て、新たな、何らかの意味でよりよい仕事を探して、後悔のしない仕事探しをしたいですね。
ハローワークやヤングハローワークはそうした就職・転職相談のサービスを無料で行っている公的機関ですが、学業や会社の業務があると、ウィークデイの業務時間内に出かけていって相談するのはなかなか困難です。
とはいえ、誰かに相談するのも時間がかかりますし、職場や同僚に知られるといろいろとありそうで、どうにかならないかと思いがちです。
そこで、そんなあなたに土日や祝日であっても、深夜、早朝であっても、就職・転職の際の職業選びに役立つサイトがあります。このホームページでは、厚生労働省が運営するジョブタグjobtagという職業選択シミュレーション・サイトをご紹介します。
jobtagて何?
jobtagは、求職者等の就職活動や企業の採用活動等を支援するWebサイトとして、厚生労働省が提供する職業情報提供サイトです。
jobtagの利用は無料なのがありがたいです。
jobtagのデータは、政府の統計データと独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究開発成果物である「職業情報データベース」の情報で、信用度が高いです。
jobtagで適性・適職探しをしてみよう。
jobtagを利用すると適性・適職を色々な条件から、ゲーム感覚で、シミュレーションできます。
色々な条件とは、
- 職業興味検索
- 価値観検索
- 職業適性検査
- 仕事能力プロフィール検索
- ポータブルスキル見える化ツール
- キャリア分析
- 職業能力チェック
といったもの。
以下では、就活生が自分の適職を探す目的でjobtagを利用しようとした場合を想定して、jobtagの使い方を紹介します。
jobtagを実際に使ってみた使い勝手の感想もお知らせしたいと思います。
jobtagを使ってみよう
jobtagのURL(https://shigoto.mhlw.go.jp/)に入ると、次のページが現れます。
(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/より抜粋。)
職業を調べようの上にある4つのバナーから、「個人での利用」をクリックします。
>適職を知る、>職業を検索する、>業種や職種を知る、>求職活動をするの4つのリンクがあります。
jobtagで適性を知る
自分に合う職業を知りたいなら、次の5つの検査をしてみましょう。
① 職業興味検査
自分の仕事の興味から、職種を絞っていく、直感的クイズ方式です。
職種の数は42職種です。
設問はどれも、「やりたい」「やりたくない」「どちらともいえない」の3択です。
普段は考えたこともない職種を含めて、3択の判断をしていくことになりますが、とりあえず、選択してみて、あとで違うかなと思ったらやり直すことも含めて、先にすすめてみましょう。
自分の職業選択についての傾向が、自分で判断することで、ぼんやりしたものから、具体的なものになってきます。職業選択についての意外な自分の潜在的願望が分かるかも知れません。
こうして、さしあたり「この業種当たりが自分が働きたい業種なのかな?」と、選択肢の範囲が絞られれば職業選択のための時間が節約されます。
② 価値観検査
仕事について、貴方が重視したいと思っているポイントを見える化します。検査のための設問は60問です。
それぞれに「とても重要」「重要」「やや重要」「重要でない」の4択て答えます。
仕事についての価値観やこうあってほしいことなど、見える化してみて、自分の希望にあった職種の特徴が絞られてきます。
③ 簡易版職業適性テスト(Gテスト)
簡易版の職業適切テストです。問題を素早く正確に解く力についての簡単な検査を行います。
検査A 展開図から立体形を選び出す検査 28問
検査B 文章を完成させる検査 48問
検査C 算数の応用問題を解く検査 20問
④ しごと能力プロフィール検索
これまでの職業体験から「しごと能力」を検査し、「しごと能力」プロフィールを作成します。
経験した職業をまず、選択し、その後、設問があり、それぞれの設問について、自分の能力についてどう思うかを選択します。
ある分野にスキルが十分あるか、それほどでもないか、全くないかなどを選んでいき、就職可能な職種を絞っていくことになります。
設問は、5つの分野での問がなされます。分野の違いで、自分の評価の段階が違います。
能力分野 | 設問数 | 自己評価の段階 |
スキル | 39 | 7 |
知識 | 33 | 5 |
興味 | 6 | 5 |
仕事価値観 | 10 | 5 |
仕事の性質 (規則性や季節性について) | 36 ( 3) | 5 |
スキルは7段階での評価になります。、その他は5段階で自分で評価します。
その後で、スキル、知識、興味、仕事価値観、仕事の性質の中からそれぞれ1つ以上の分野を選択してから、検索ボタンを押すと、それに関連する職業が選ばれます。
個人の仕事能力についての評価は主観的になりますが、それでも、ある程度の絞り込みはできることになりそうです。
⑤ ポータブルスキル見える化ツール
ミドルシニア層のホワイトカラー職種の方がキャリアチェンジ、キャリア形成を進める際に利用することを想定したもの。
*ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても強みとして発揮できる持ち運び可能な能力です。
ステップ1 仕事を遂行する上で重要となる「仕事の仕方」「人との関わり方」のスキル項目について、自分が得意だと思う程度に応じて、各スキル項目の解答欄に29点の持ち点を割り振ります。相対的な自己評価ということになります。
ステップ2 「仕事の仕方」5項目、「人との関わり方」5項目について、それぞれ、5つの内容のうち最も該当しているという項目を選択する。
ステップ3 ステップ1・2の結果、「人事・人材開発」「労務管理」「総務」「広報」「情報システム」での職業能力の目安と個人の能力について、「仕事の仕方」「人との関わり方」でチェックできます。さらに、職業能力チェックツールで、選択中の職務と必要とされる職業能力レベルでの適合性がチェックできます。
最終的に検査結果を選択すると、対応する職業が示されます。
自分の強み・弱みを分析したいなら
⑥ キャリア分析
自分の職歴から「スキル」などの自分の「しごと能力」プロフィールを作成し、希望する職業との適合度をチェックできます。
さらに、そこから選んだ適職に求人があるかないかの検索が可能です。
⑦ 職業能力チェック
さらに、職業能力チェックツールで、選択中の職務と必要とされる職業能力レベルでの適合性がチェックできます。
jobtagはおすすめ?
おすすめする訳
job-tagは、初心者にとっては、網羅的だし、系統的によく考えられている職業絞り込み用の検索システムです。やってみると面白いし、職業選択を一度は幅広く考えるというためには、おすすめです。
私は、「就活」についてのビジネスブックの著者で、いろいろな大学の研究者仲間から、就活・転職の相談を受けることがあります。
「うちのゼミ生に、就活のイメージをと思うけど、何から始めればよいかわからないと相談された」(H大学のK先生)
「適職を考えると、何から手をつけていいかわからず、一歩を踏み出せないでいた」(D大学Aゼミ学生)
そうですよね。ここで躓くと、他のことへの焦りも含めて、ますます就活が重たくなってしまいますよね。
そういう相談には、「無料でできる職業検索のサイトがあるので、学生さんにすすめてみては?」と、アドバイスしています。
適職探しには、知識と決断が必要
私は、適職というのは、さしあたり適職と思って選択する職業のことだと思っています。と、言うのは、自分の選択した職業が本当に自分にあっていたのか、とかいう結論は、退職しても判断するのが難しいと思うからです。
大事なのは、職業について広く知ること。その中で関心をもてる職業をピックアップして、あとは決断することです。
もちろん、就活のために必要なのは、職業選択だけではなく、職業を選択してから必要になる「志望動機」や「自己PR」や「エントリーシート」の作成に向けた、自己形成といった課題がありますが、就活のアリーナに入るその入り口でつまづく人も結構多いのです。
でも、その躓きは、当然のことです。自分だけが、と思わないことが大切です。
就活で大切なのは行動
就活で大切なのは行動です。
採用が向こうから来ることは、まず、ありません。最終的なゴール(内定)までの道筋で、最初の足が出なければ、そこでストップしてしまいます。
その入り口に飛び込んでみる第一歩として、jobtagの利用はとってもお勧めです。
job-tagの使い勝手について
お勧めのjobtagですが、人によっては、使い勝手が悪い、あるいは使い方が分かりにくいという感じを受ける人も出てくるかもしれません。
実際に、使用してみると、選択肢もチェック項目も多くて、とても丁寧に作り込んであることが分かります。最後まで利用すると、調べた感が出て、次のステップへと進みやすくなりと思います。
しかし、結果を得るまでに時間がかかったり、途中での選択について、はたしてこの選択で先に進んでよいのかと躊躇した選択がいくつも残ったりしてくると、結局何度も、あるいは、いろいろな角度から再検索をすることになる可能性があります。
図書館がいくら蔵書数が立派で、検索システムが整っていても、リファレンスがないと、必要な本についての絞り込みの仕方が合っているのか、絞り込んだ本以外に、参照すべき文献はないのか、といった点で、ハードルが高いという印象になってしまう場合もあると思います。
性能のよすぎるアプリケーションソフトを使って、結局思い通りに使い込むスキルを得るのが、大変だ!という感じですね。
だから、jobtagを利用する際には、jobtagにちゃんと向かい合う気持ちが必要かな、と思いました。
jobtagの利用は、時間がかかるように思えても、ぼんやり先が見えないまま悩む時間の長さを考えると、時間や労力の短縮になる、と思います。
jobtag以外での職業選択の方法
土日祝日や時間を気にせず検索できる、わざわざハローワークや大学の職業指導課を訪ねなくてもよい、といった条件で、jobtag以外に利用可能なものとして、民間の就活関係の企業、エージェントを利用するという手段があります。
①ソシラボ名山塾で合理的な就職活動を (外部リンク)
私は、ストアカ(ストリート・アカデミー)で転職・就活の講座を開催し、志望動機や自己PR の作り方を中心に就職・転職についての相談をさせていただいています。
ストアカでの私の講座はこちらから。
講座:「アドバンスド・クラス」
それぞれ60分の講義ですが、大切な中身はしっかりと詰まっています。
就活・転職準備の講座として利用して下さい。
ストアカの公式サイトはこちらから。
② Web技能の修得と就活エージェントについて紹介したページ
Webエンジニア
Web技能と就活エージェント インターネット・アカデミーはこちら。
③ 発達障害者のための就活・転職のエージェント
大人の発達障害ASD(ADHD、アスペルガー障害者等)向けに、就職・転職について、まとめたページを作りましたので以下をご参照ください。
発達障害者のための適職選び
就活・転職関連のエージェントについてのページはこちら。